【ごあいさつ】
2019年12月5日、おかやま100人カイギvol.5を開催しました。
「おかやま100人カイギ」は、岡山で新しい出会いが欲しい、新しいことを知りたい・やってみたい人同士が繋がり、地域に新しい動きが起こるきっかけとなる場をめざして企画したものです。
今回から、枚数限定で大学生無料参加チケットをご用意しました。
前回参加してくださった川崎福祉医療大学の学生さんの他、岡山大学の学生さんにも参加頂きました。来月からは、高校生限定の無料参加チケットもご用意いたします。興味のある方は是非ご利用ください!(お申し込みは、こちらから!)
【イベントレポート】
おかやま100人カイギのゴールは「ここにいる皆さんが、出会いを楽しむこと」
おひとりでの参加に躊躇している方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です!会場に入った際は緊張している皆さんも、この100人カイギが終わる頃には、最初の若干張り詰めた空気が嘘のように、和気あいあいとお話されています。時には話が尽きず、ロビーからなかなか動けない方々も…!
参加者の皆さん同士で自己紹介をした後、本日登壇する5名のゲストをご紹介。
そして、お待ちかねのゲストトークへ。
【おまちかねのゲストトーク】
トップバッターは、情景描写ピアニストの山地真美(やまじ まみ)さん。
大学卒業後、ピアニストを目指して東京へ。自分にしかできない何かを見つけなければと模索し、「地域の魅力発信を、音楽で」をコンセプトに、岡山各地の情景、文化、歴史をテーマに作曲し、その魅力を世界に発信していらっしゃいます。
活動のひとつである『浮世音(うきよね)』シリーズは、四季折々の美しい情景をピアノで即興演奏する様子をドローンで撮影、世界中に発信している映像作品。言葉がなくても地域の、日本の魅力を伝えることができるこの作品は、コスタリカ、アメリカ、中国などでの海外公演の際も好評を博したとのことです。
その他『100人オケ!』では、地域の人たちと一緒に、その地域にしかない“地域密着型”の音楽を共に作りあげていらっしゃいます。2019年の瀬戸内国際芸術祭の宇野港オープニングアクトでは、玉野市の子ども達と地域の良いところを歌にし、渋川海岸の砂を使った楽器でを演奏をしたそうです。
山地さんは、情景描写ピアニストとして成し遂げたい3つの柱をお持ちです。
「情景と世界をつなぐ」「過去・現代・未来をつなぐ」「人と人をつなぐ」
100年後にも残る文化である“音楽”ならできる、と確信を持っているといいます。これからも、様々な挑戦を続けていきたいと決意を語る山地さんに、参加者の皆さん惹きこまれている様子でした。
次は、NPOペアレント・サポートすてっぷ理事長の安藤希代子(あんどう きよこ)さん。
安藤さんの活動の中心は、障がいを持つ子どもを持つ保護者のための “うさぎカフェ”の運営。自分たちが子育てをした時に、苦しい経験をしているからこそ、若い世代にはそのような想いをさせたくない、という想いが原動力だといいます。
子育てをするだけでも大変なのに、子どもに障がいがあると更に大変。『当事者の支援』はあっても、『親の支援』は考えらえていないことが多いそう。
「親なんだから当たり前。障がいを持つ子が生まれたんだから頑張らないとね」という言葉をかけられることも多いそうですが、 親も突然のことで戸惑うもの。親をサポートすることが、結果的に子どもを幸せにすると思ったんです、と穏やかに語ってくださいました。
安藤さんのモットーは、「一人で来た人を、絶対に独りぼっちで帰さない」ということ。
助けが欲しくなって周りを見回した時に、ふと目に留まる、そんな居場所にしたい。10年先の未来に、親が安心して話ができる場所が地域にたくさんできれば、という山地さんの言葉に、会場全体が暖かな空気に包まれました。
前半最後は、プロBMXライダーの大池水杜(おおいけ みなと)さんです。
BMXは、Bicycle Motocross(バイシクルモトクロス)の略で、大池さんが得意とするBMXフリースタイル・パークは、フィギュアスケートのように、1分という制限時間内に技を行い、ジャッジによるポイントで順位を決めるスポーツです。来年の東京オリンピックで初めて、正式種目となりました。
大池さんは静岡県出身。以前は関東を拠点に活動をされていたそうですが、日本代表の監督がいて、世界大会規模のジャンプ台が設置されているパークがある岡山に拠点を移されたそうです。そしてなにより、岡山には全日本フリースタイルBMX連盟(以下、JFBF)の事務局があるので、まさしく“BMXの本拠地”とも言えるのだとか。
JFBF のプロジェクト「ドリームキャラバン」では、県内の小学校を訪問し、技を披露しているとのこと。そして、その演技を見た小学生から、BMXをしたい!BMXが欲しい!と言ってもらえて嬉しいそうです。
「自分が頑張ることで競技が広まっていくのは、地方だからこそできる事かもしれません。岡山から、東京オリンピックでの金メダルを目標に頑張っています!声をかけてもらったら力になるので応援して欲しいです! 」との力強い宣言に、参加者一同大きな拍手を送っていました。
休憩をはさんでゲストトーク後半。
倉敷おからクッキーの生みの親、福本眞一郎(ふくもと しんいちろう)さんです。
福本さんは、1955年創業の婦人服販売会社の2代目。
大学卒業後アパレル会社で働いた後、岡山へUターンし、その10年後社長に就任されました。バブルが弾けてブティック経営が赤字になったため、早急に会社の立て直す必要があると考え、パソコン販売サポート事業を開始。その際に、大切にしたのは、「必須条件とは何か」「喜んでもらえる対象は誰か」という2つの軸だそうです。
その後、スマホ・タブレットが普及し、パソコン自体の販売数が減少。次の事業を考えなければならない中で、再び“ブティックのお客様に喜んでもらえることは何か”を軸に、『ダイエットクッキーの人気』と『第一次おからブーム』に注目し、おからクッキーのアイディアを形にしました。
とても美味しいおからクッキーが出来上がったものの、ダイエット食品である必要があるため、カロリー計算や内容物など徹底的に研究し尽くしたそうです。今では、ECサイトの他、地元の百貨店、量販店、コンビニ、病院などで取引があるのだとか。 「健康を維持するために、運動だけではなく食べるものにも気をつかって欲しい。おからクッキーで自己管理をして頂いて、どんどん健康になっていただきたい」という福本さんの言葉に、参加者の皆さんは、深く何度も頷いていらっしゃいました。
最後は、残留農薬ゼロ、安心安全にこだわる いきこと農家 田邉晃次(たなべ こうじ)さんです。
田邉さんが栽培している、いきこと米。
一般的なお米の栽培と違うところは、土と向き合っているところ。農作物は、農家が育てるのではなく、土が育てる。土の中にいる微生物は目に見えないためその働きを見落とされがちだけれど、微生物と作物は共生している、ということが栽培する上で大切にしている事だと田邉さんはおっしゃいます。
土がどのような状態なのか、毎年土壌分析を実施。土に負担をかけないように、化学合成された農薬や化学肥料をなるべく控えているものの、やむを得ず使用した場合には、収穫したお米の残留農薬を250項目に渡って検査しているのだそうです。結果、残留農薬はゼロ!
毎日体に取り入れているものは、私たちの血肉なる、体になると考えていると言う田邊さんは、「安心安全であってほしいという『願い』ではなく、安心安全『でなければならない』。そして同時に、美味しく、食べたら元気になること。それこそが本来の“食事”だと思っている」と強く語っておられました。
「農業が、ただの職業ではなく、命に関わる産業であるということを自覚して、これからも岡山の山間部・津山市から情報発信していきたい」という決意に、参加者の皆さん惹きつけられている様子でした。
【さらに盛り上がったネットワーキングタイム】
ゲストトークの後は、5つのグループに分かれてネットワーキング。
ゲストが順番に輪に入り、参加者からの熱心な質問に丁寧に答えていました。このネットワーキング、毎回盛り上がるのですが、今回は特に大盛り上がり!参加者の皆さん同士の会話にも花が咲き、いつもより時間がオーバーしてしまいました・・・
「おかやま100人カイギ」は、登壇していただいたトークゲストが100人に達するまで毎月開催していきます。今回までで、合計25人。全体の4分の1に到達しました。
次回は、2020年1月16日(木)19時スタート。
薬膳ハーブティーマスター、エンジニア、食と芸術に奔走中の方など、魅力的なゲストが集まります!お申込はこちらから!ご参加お待ちしています。
レポート:おかやま100人カイギ事務局・岡田彩