食の宝をめぐって未来のバラ寿司にチャレンジ!≪じぶんで考える食の学校≫

イベントレポート

【キックオフ】バラ寿司を知って晴寿司のアイディアを考えよう!

2023.12.7 UP

プログラム開始!

岡山県の郷土料理「バラ寿司」。岡山県のバラ寿司は豪華な具材が載っていることが特徴で、江戸時代に倹約に反発した庶民が生み出したものでした。以来、「ハレの日」のご馳走として岡山県民に愛されてきました。
そんな中、今年JAグループ岡山が主幹となり晴寿司ブランド推進会議が発足。食べられる機会が減ってきているバラ寿司を、自由な発想で楽しもうというプロジェクトです。(晴寿司プロジェクト:https://harezushi.jp
今回のプログラムでは「自分にとってのハレの日」を考え、食の宝をめぐり、未来につなぐ「晴寿司」にチャレンジします!

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10月29日(日)。今回はキックオフとして、岡山市ピュアリティまきびに集まってもらいました。
参加者は岡山県在住の小学校4〜6年生20名。ほとんどが初対面同士ということもあり、開始前はまだ少し緊張している様子。

やる気サポーターの紹介

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本プログラムについて説明した後は、みんなの晴寿司チャレンジをサポートする「やる気サポーター」の紹介。
まずはファシリテーターの大羽さん。社会課題解決に取り組む未来づくりカンパニーという会社の社長です。今回はアイディアの発想方法についてレクチャーしてくれます。
お次は食育の品川先生。普段は学習院女子大学で先生をされています。フードコンシャスネス(味わい)教育が専門分野で、フードコンシャスネス研究所の所長でもあります。今回はバラ寿司にも入っている「お酢」について教えてくれます。

プログラムの流れとバラ寿司について

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今回のプログラムでは、ワークショップ形式で未来の晴寿司をつくっていきます。
大羽さんが「日本の社会課題と聞いて何か思いつくものはある?」と質問すると、円安や年金問題など大人顔負けの回答が!やる気サポーターも驚いていました。
今回は食料問題について取り上げ、日本で農業や漁業の仕事をしている人が減っていること、日本の食に危機が迫っていることなどを説明。
社会課題を解決して明るい未来をつくるためには考える力や創造力が大事!と大羽さんから子どもたちへメッセージが送られました。

自己紹介とチーム名決め

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本プログラムでは1チーム5人、計4チームに分かれて晴寿司づくりに挑戦してもらいます。まずはチームで仲良くなってもらうために、自己紹介とチーム名決めをしてもらいました。チームでの活動になると一気ににぎやかに!少し打ち解けてきたでしょうか?話し合ってもらった結果、チーム名は次のようになりました。

Aチーム「ANAGO!」
Bチーム「晴様(はれさま)」
Cチーム「みんなが大好きなものがいっぱい入ったTIRASISUSIつくるぞチーム!!」
Dチーム「シャイン」

早速チームの色が見えてきて面白いですね!

メニュー開発サポーター 林さんからのメッセージ

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チーム名を決めた後は、晴寿司メニュー開発をサポートしてくれる林亮平さんからのメッセージビデオを見てもらいました。
林シェフはミシュラン一つ星を獲得している東京南青山の「てのしま」の店主。香川県生まれ岡山県育ちの林さんは、和食を未来に伝えていくための活動にも積極的に取り組まれています。
「和食って難しいんじゃないかと思うかもしれないけど、自由な発想で一緒に考えていきましょう!」とエールをいただきました。

今回のプログラムではDAY-1からツアーに参加し、夕食づくりや晴寿司を考えるお手伝いをしていただきます。また同じく料理人である奥様の紗里さんにもご協力いただきます。

伝統的なバラ寿司を食べてみよう!

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次は会場を移動して、伝統的なバラ寿司を食べる体験です。今回ご協力いただいたのは、岡山県で125年続く魚屋「魚春」の光畑さん。実際に目の前でバラ寿司を作っていただきました。使う食材は全て岡山県でとれるもの。バラ寿司はもともと、その地域でとれる旬の食材で作る料理でした。一年の中では5月頃が一番豪華なバラ寿司になるそう。

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光畑さんの周りに集まってバラ寿司が出来上がっていく様子をじっと見つめる子どもたち。光畑さん曰く、五目寿司はしゃもじを使わず手で混ぜることがポイント!
彩りがきれいで美味しそうなバラ寿司が出来上がりました!

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これで終わりかと思いきや、光畑さんが箱をひとつ取り出し、箱の底にバラ寿司の具材を敷き詰め、上に白い酢飯を乗せていきます。せっかくの具材が見えなくなってしまいますが、光畑さんが箱にお皿を乗せてひっくり返すと…きれいなバラ寿司に!思わず子どもたちからも歓声が上がります。
岡山のバラ寿司は、江戸時代に池田藩主の質素倹約令に反発した庶民が生み出したものと言われています。役人にバレないように見た目はただの白いご飯で、役人がいなくなった後ひっくり返すとごちそうになるという、庶民のアイディアが詰まった料理だったのです。

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配膳が終わり、いよいよバラ寿司をいただきます。お吸い物、お茶も一緒に。お吸い物は具材が鯛と三つ葉、味付けはお塩のみというシンプルなお椀。お茶は岡山県真庭市で作られた「とみはら茶」です。
おかわりをする子も続出し、ご用意いただいたバラ寿司の桶が空になると光畑さんも「まさか全部なくなるとは!」と驚いていました。

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食事後、岡山の人参農家さん、レンコン農家さんのビデオメッセージを見てもらいました。どちらもバラ寿司には欠かせない食材ですね。

岡山の旬のお話

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伝統的なバラ寿司を食べた後は、午前の会場に戻ります。
まずは岡山の旬のお話。今回お話してくださったのは、JA厚生連の久保さん。岡山の産物マップと旬カレンダーを見ながら一緒に旬について学んでいきます。
「ほうれん草の旬は?」「夏が旬の食べ物にはどんなものがある?」など、クイズ形式で楽しく進めていただきました。

食の未来と循環のお話

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次は、真庭市役所 農業振興課の藤田さんによる「循環のお話」です。「『食べること』から考えよう」と題して、農業と地球のつながりや、日本の食料自給率のお話、最新技術を使った農業の取り組みなどについて教えてもらいます。
農業は人の生活になくてはならないもの。農家さんの数が減っている今、農業を仕事にすることは逆にチャンス!と藤田さん。
また2本の大根を例に、土の栄養量によってヒゲ根の生え方が変わることなどを解説していただきました。これからスーパーなどで野菜を見るときの見方が変わりそうですね。
真庭市では生ゴミや生活排水から有機肥料を作るなど、「循環」の取り組みに力を入れていることもご紹介いただきます。まさに「食の未来」のお話でした。

お酢を好きになるワークショップ

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次はしじみ先生こと品川先生の「お酢を好きになるワークショップ」です。
品川先生からの問いかけによって、食べるときは口だけではなく、五感すべてと心を使って味わっていることを学びます。

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そして参加者に配られたのは「A」「B」と書かれた二つの透明な液体。「どちらが味を濃く感じる?」という品川先生の問いかけに、ワイワイと盛り上がりながら飲み比べます。
二つの液体の正体は、Aがグラニュー糖をたくさん溶かした水、Bがクエン酸をほんの少し溶かした水。酸味は少しでも味を濃く感じる理由について、品川先生から解説していただきました。

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また別の「A」「B」と書かれた透明の液体が配られます。今度は口に入れた瞬間に顔をしかめる子も!会場は大盛り上がり。一体何が入っているのでしょうか?
答えは、Aが食塩水、Bがその食塩水に1滴だけお酢を入れたもの。お酢をほんの少し入れるだけで塩味を強く感じられるようになることから、減塩に役立つことを教えてもらいました。その他にもお酢による嬉しい効果を紹介。お酢のことを好きになってもらえたでしょうか?
最後に、食べることを通して地球を感じよう、作ってくれている人のことを感じよう、というお話でワークショップが締めくくられました。

未来の晴寿司を考えよう!

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そしていよいよ晴寿司づくりに向けてアイディアを考えていきます。
「晴寿司」の定義は、シャリは岡山県産米を使用した五目寿司にすること、そして具材に複数の岡山の旬の食材をふんだんに使用した創作のバラ寿司であること。
今年JAさんで開催された晴寿司コンテストで生まれた晴寿司について紹介したところ、個性あふれる晴寿司の写真を見て、子どもたちに「晴寿司ってこんなに自由な発想でつくって良いんだ!」という気づきが生まれた様子。
また「いろんな色=いろんな栄養」という考え方についてもレクチャーしました。

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ファシリテーターの大羽さんから「かけ算発想」によるアイディア出しの方法を教わり、チームごとに「ハレの日」について話し合ってもらいます。
ふせんに自分のうれしかったことや自分にとってのハレの日について書き出していくと、各チームたくさんの「ハレの日」が集まりました。

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次にみんなで出したハレの日をグループに分けて、チームの「ハレの日」のテーマを決めてもらいます。岡山の食材マップも見ながら、どんな晴寿司にしようか?と話し合う様子も。

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「ハレの日」のテーマはそれぞれ次のようになりました。
ANAGOチーム「海・つり」
晴様チーム「努力して目標を達成したとき」
みんなが大好きなものがいっぱい入ったTIRASISUSIつくるぞチーム!!「旅行」
シャインチーム「結婚記念日」

見事、どのチームも被らずにテーマが決定!
次回11月3日(金・祝)までの宿題として、今回チームごとに決めたテーマに沿って各自晴寿司のアイディアを考えてきてもらいます。ここからどんな晴寿司が生まれてくるのか楽しみですね!