photo NAOKI MIZOBATA
【最終日】お茶の葉どーれだ!?
最終日は、道の駅・布施ヶ坂で見つけた高知産の釜煎りきなこを使ったおむすびの朝ごはんで始まりました。
田んぼにいる生きものをさがそう!
谷川さんの田んぼ周辺で、生きもの探しです。
田んぼで見つけたアカハライモリ、ヤマアカガエルは、ともに日本の固有種。
地域によっては、準絶滅危惧種に指定されている生きものです。
谷川さんの畑には、ところどころ、白いものが浮かんでいます。
これは、地元のお豆腐屋さんにもらった “おから”。
おからは、田んぼの土の栄養であると共に、田んぼに住む生きもののエサにもなるのです。そして最終的には、田んぼの土になって、稲を育てる助けをしてくれる。田んぼでは、生きものと稲が共存しているのが分かります。
お茶の葉どーれだ!?
谷川さんの畑の周りで、お茶の葉さがし!
触ったり、においを嗅いだりしながら、子ども達だけでお茶の葉を見つけました。その葉をハサミで刈り取って、そのまま煮出して「山茶」タイムです。
山茶を飲んでみた感想を聞くと、「おいしい」という子と、「まずい」という子に別れました。
人の手が加わっていない、とれたてのお茶の葉から煎れたお茶には、自然そのままの味わいがありました。
刈り取ったお茶と比べて、普段飲むお茶の葉は加工がされています。
なぜだと思う?と質問すると「味が出やすいように」「運びやすいように」「保存しやすいように」という声が次々に上がりました。
毎日当たり前に口にしているものは、食卓に並ぶ前に、誰かが獲り、育て、運び、調理したもの。食べやすくするため、保存・運搬をしやすくするために、手を加える仕事もその一環です。様々な人の手を介し、私たちは自然の恵みを頂いていることを学びました。
きょうのお昼ご飯
お昼ご飯には、谷川さんの畑のいんげん豆、赤玉ねぎ、はだか麦を。サラダには、谷川さんの絞ったゆず酢を使いました。高知ならではの季節の味です。
宿泊学習の振り返り
以上をもって、「じぶんで考える食の学校 2泊3日わくわく体験」のプログラムは終了です。
初めて出会った者同士、協力し合いながら、 自分と向き合い、自然と向き合い、仲間と向き合った3日間でした。
「食べものがどこからきたか」
食べものの背景にある土や水、虫、人。自然に恵まれた梼原町で、それぞれの気付きがあったと思います。
また、3日間を通じて、自ら食事の準備や片付けを手伝うことが増えたことは思わぬ産物でした。
宿泊学習が、子ども達にとって何かのきっかけになってくれれば嬉しいです。
- ・体験だけで終わるのではなく、同時にアカデミックな内容が学べたことで、子供に知識を習得できた自信がついたように思います。(4年生保護者)
- ・普段の生活で体験することができないことや、知らない子供たちの中で3日間たくましく過ごす環境をあたえて頂いた事、心より感謝いたします。(4年生保護者)
- ・知らない人たちとはじめての場所で共同生活。とても楽しかったようです。カエルを触ることもできなかったのに触れるようになったり。「たのしい」事は、苦手なことも乗り越えられるんですね。(5年生保護者)
- ・初めは参加することに不安そうでしたが、帰ってきてから楽しそうにキャンプの話をしてくれる子供を見て安心しました。「『いただきます』がくせになったわ」と笑いながら話す子供が少し大きくなったように見えました。(5年生保護者)
- ・初めての友だちや親以外の大人と過ごし、いろいろなことを吸収できたように思います。土の中の微生物を調べたり、火をおこしたりと私たち親では与えることができない経験をさせてもらって感謝しています。(6年生保護者)
- ・好き嫌いがはげしく、野菜や肉・魚類をきちんと食べてくれない子どもが、食がどこからきてどのようにつながっているのかを知ることを通じて、食べることの大切さに気付いてくれたのではないかと思います。同世代の子たちの色々な意見や知識にも影響を受けて成長できた3日間でした。(6年生保護者)
フォトギャラリー
【特集】食への意識が変わる…小学生が“自ら考える”2泊3日の宿泊体験学習
皆さんは家庭で「食育」をしていますか?「食育」とは食べ物に関する知識を学ぶことが全てではありません。では、座学以外でどうすれば子どもたちが「食」への意識を変えるきっかけになるのでしょうか?香川県の小学生が参加した自然と触れる宿泊体験学習で、そのヒントを探りました。