雪舟ゆかりの地で、約2000本の紅葉で彩られた寺と精進料理を堪能 【岡山県総社市】
岡山・香川の話題のものやスポットを紹介する「いまココ!ナビ」
総社市の雪舟ゆかりの寺では紅葉の色づきとともに、禅堂の改修が進んでいます。
Table of Contents
紅葉が美しい雪舟ゆかりの寺では、今しか見られない大改修にも注目
総社市井尻野にある臨済宗の寺「井山宝福寺」では、約2000本のもみじが見頃を迎えます。
ここは室町時代に活躍した、水墨画の大家・雪舟が幼いときに修行した寺で、雪舟が寺の和尚に叱られて、涙でネズミを描いたという有名な逸話の舞台でもあります。
室町時代に建てられた三重塔が国の重要文化財になっている他、山門、仏殿など重厚な建物が並んでいて、歴史のロマンを感じさせてくれます。
宝福寺は7月から、「禅堂」を約半世紀ぶりに改修していて、現在は屋根の保存修理を行っています。
「禅堂」は僧侶たちが座禅を組んで修行をする場所で、1814年(江戸時代後期)に建てられました。
梁や桁には、明治時代の改修時に、木材を再利用した痕跡『ほぞ穴』が残されています。
また宮大工によると、屋根の金具にも見所があるということです。
(宮大工 / 芥川英祐さん)
「鎌みたいな材料を採用してます。当時の『あるものをできるだけ採用する』という面白味がみられます」
他にも宝福寺では、紅葉の季節に合わせて、期間限定で「方丈」を特別公開しています。
「達磨大師像」や「雲龍図」など、雪舟が描いたとされる6点の水墨画と雪舟の弟子による作品を並べています。
普段は収納庫で保管している作品ばかりです。
方丈の庭をのぞくと、枯山水と紅葉の見事な共演を楽しめます。
(井山宝福寺 / 小鍛治 一圭 住職)
「方丈公開というのは、宝福寺の宝を見た人から少しでも寄付をいただいて、寺を保存できるように公開しています」
宝福寺は、修繕のための寄付を募っていて、寄付をすると、工事で出た古材で作ったお守り札や、瓦がもらえます。
臨済宗東福寺派 井山宝福寺
- 住所
- 岡山県総社市井尻野1968
- 電話番号
- 0866-92-0024
- 営業時間
- 参拝時間:午前5時~午後5時
- その他
【秋期特別方丈公開】
11月11・12・18・19日
午前9時~午後5時まで(19日のみ午後4時まで)
入場料(志納金)500円
宝福寺で「典座」だった父の味を受け継ぐ精進料理の店
続いて紹介するのは、宝福寺の近くにある「精進料理 金亀」です。
店主・天峰龍一郎さんの父・和男さんは、宝福寺の「典座(てんぞ)」として料理を担当していました。
一番人気は、手作りの胡麻豆腐や高野豆腐の唐揚げ、ひりょうずなどを盛り合わせた雪舟御膳です。
金亀の「ひりょうず」は、きのこのみじん切りやパン粉に豆腐と山芋を加えて油であげたものです。
表面はサクサクとして、中は豆腐ハンバーグのようなふんわりとした食感で、トマトのソースが良く合います。
(精進料理 金亀 店主 / 天峰 龍一郎さん)
「父から引き継いだ、胡麻豆腐や茶飯とか画を飾っているので、楽しみながら一緒に召し上がってください」
紅葉が美しい秋。
歴史のロマンを感じたり、こだわりの詰まった精進料理を堪能したりしてみるのはいかがでしょうか。