人口あたりの店舗数は全国5位！岡山で長く愛される「お好み焼き店」を巡る

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岡山県に300軒近くあるというお好み焼き店。実は、人口あたりの店舗数は全国5位。地元で長く愛されるお好み焼き店を巡りました。

直径40cmの「モダン焼き」みゆき（岡山・南区平福）

豪快に返されたのは直径約40cmのお好み焼き！岡山市南区の「お好み焼みゆき平福店」。
名物は大きな「みゆきモダン焼　大」850円です。

（お好み焼　みゆき　平福店／総田妙子さん）
「（Q.何年もやられてる？）56年。小さいキャベツだったら半分は絶対入る。
　大きいのは大きい大きいと言われていた、最初から。みんなが大きいと言って喜ぶから、もう一つ大きいのを作ろうとしたのが（きっかけ）」

マヨネーズやケチャップで作ったオリジナルのソース、その上にお好み焼きソースをかけて完成です。

（野口真菜リポート）
「体中にお好み焼きの甘みが染みています。キャベツもしっかり甘いし、ソースもまたマヨネーズソースがいい味を出してます」

（常連客は―）
「ときどきお母さん、小を作ってくれるんですけど、だんだん大きくなっていく」

（お好み焼　みゆき　平福店／総田妙子さん）
「大きいの焼くのが慣れてるから」

そんな老舗お好み焼き店にも物価高の波が押し寄せ、値上げも考えたといいます。

（お好み焼　みゆき　平福店／総田妙子さん）
「もう大変ですよ、今が一番。（価格が）何もかも倍々になりました。みんな喜んでくれて、給料が少ないのに、若い子が来て食べるのかわいそうと思って」

人情味あふれる「お好み焼　みゆき」は、水曜が定休日です。

3ソースのお好み焼き　ツルレイキ（岡山・北区大供）

次に訪れたのは岡山市役所の近く「ツルレイキ」です。

（野口真菜アナウンサー）
「いっぱいメニューがあるんですけど、人気なのは何ですか？」

（阿部司さん、しのぶさん）
「お好み焼きかモダンそばの豚玉が多いですね」

生地には炭酸水を使い油は控えめに。創業当時から作り方は変わりません。

こちらが人気のお好み焼き「豚玉子」450円です。

「野菜」はなんと300円！20年ほど値上げをしていないそうです。

（野口真菜アナウンサー）
「折りたたまれた間に、おいしさが空気の隅の隅まで詰まってて、口に入れた瞬間にそれがふわってくるんです」

ツルレイキでは甘口・普通・激辛（ドロソース）の3種類のソースが楽しめます。普通ソースの上に激辛ソースをかけて味変に挑戦です。

（野口真菜アナウンサー）
「だんだん口の中が熱くなってくる。リピリとした感じがたまらないですね」

兵庫県のメーカーから仕入れているこのソース、昔は近くのお好み焼き店にも卸していたそうです。

人口あたりの店舗数は全国5位

（ツルレイキ／阿部司さん）
「（近所にお好み焼き店が）5、6軒あった。駄菓子屋がお好み焼きをしていた。お好み焼きと言えば駄菓子屋」

タウンページに2022年掲載されたお好み焼き店は岡山県で271件、人口あたりの店の数では全国5位です。
（出典：タウンページデータベース　最新！日本全国ランキング　粉もんNo.1対決！～「たこ焼店／お好み焼店」の都道府県別件数ランキング～　2022年11月時点）

なぜ岡山県にお好み焼き店が多いのか。
ノートルダム清心女子大学の森泰三教授は地理学の観点から岡山県のお好み焼き店を調べました。

（ノートルダム清心女子大学／森泰三　教授）
「隣接する広島県と、東側にある兵庫県の分布です」

森さんが2014年に出版した本ではグルメサイトに広島風と表記している店を青、関西風と表記している店を赤の丸で示しています。
（出展：GISで楽しい地理授業　森泰三 著　2014年）

岡山県のお好み焼き店199軒を調べたところ、広島風が94軒、関西風が105軒でほぼ同じ割合となりました。

（ノートルダム清心女子大学／森泰三　教授）
「広島のお好み焼きの文化圏と、関西の文化圏の真ん中にあるので、当然文化が入り混じるともに、お好み焼きを食べるという習慣も多いのだろうなと。店舗も多いのかなと思います」

（ツルレイキ／阿部司さん）
「（Q.どうして店名ツルレイキに？）父親が戦争が始まって『ツールレイク』という収容所に入れられて、そこで苦労したから、それより苦労することはないと（名付けた）」

阿部さんの父・友男さんは太平洋戦争中カリフォルニア州にある「ツールレイク強制収容所」に送られたそうです。戦争が終わり岡山に戻った友男さんは、お好み焼き店を始める際収容所にちなんで店の名前を付けました。

（ツルレイキ／阿部しのぶさん）
「岡山全体が戦争で焼けていたし、お父さんもお父さんで苦労してたしね」

父・友男さんが亡くなり阿部さんは店を継ぎました。

司さん　　「1人だったらできないもんね、妻がいなかったらすぐやめてる」
しのぶさん「ありがたいことです」
野口アナ 「この先も二人三脚で、愛の魔法をかけ続けてもらって」

長く愛され続けるお好み焼き。
その美味しさと作り手の温かさは私たちをひきつけてやみません。

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