「黒板アート」で地域を鮮やかに！元スナックや元工場を活用したアートイベント　【香川・善通寺市】

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「黒板アート」で地域を盛り上げようと取り組んでいる善通寺市で、元スナックや元工場を会場にしたアートイベントが行われています。

アートイベント「黒板街」開催。アートを見ながら街巡り

（KSBアナウンサー / 荻津尚輝）
「こちらはかつて営業していた元スナックです。当時使っていたお酒がそのまま並んでいます。ただ反対側に目を向けるとなんと黒板アートが飾られているんです」

こちらは善通寺に咲いているスイレンを香川県在住の画家・山口一郎さんが描いたものです。

2014年まで「ぽぷら並木」というスナックとして営業していた部屋の一画に描かれています。

善通寺市は地域活性化のために2019年から「まちなか黒板アート事業」に取り組んでいて、現在はアートイベント「黒板街」が開かれています。

（善通寺市　地域おこし協力隊 / 福岡　歩美さん）
「街に皆さんに入っていただいて、アートを見ていただけるような取り組みにしていきたいなということで『黒板街』を企画しました」

「黒板街」では、街を巡ってもらおうと市内の4カ所に黒板アートを展示しています。

【高校性×黒板アート作家】元工場の床を上から見ると…

続いて荻津アナウンサーが向かったのは、いわま黒板製作所 (旧)上吉田工場です。

（KSBアナウンサー / 荻津尚輝）
「ここに黒板アートがあるということなんですが…何かが床に描いてあるのは分かるんですが、何が描いてあるかまでは分かりません。ただこれ上に登って見ると、海の生き物が描かれているのが分かります」

上から見て楽しんでほしいというこの作品。

中央にいるのはダイオウイカ。
他にもクリオネやオリーブハマチなど、さまざまな生き物が泳いでいます。

描いたのは、善通寺第一高校デザイン科の生徒と、黒板アート作家のすずきらなさんです。

すずきさんはこのイベント前の10月9日、サプライズで善通寺一高の黒板に「釜玉うどん」を描きました。

翌日、それを見た生徒たちは感動！
その後、鈴木さんと一緒に作品づくりに取り組みました。

（善通寺第一高校デザイン科の生徒）
「むちゃくちゃビックリして、初め教室が違うのかと思いました！」

作品のテーマは、すずきさんと高校生が相談して決め、11月3日に協力して描き上げました。
この作品が描かれた大きな倉庫は、2019年まで黒板を作る工場として使われていました。

（いわま黒板製作所　企画広報室 / 角野　加奈さん）
「現在この場所は、お祭りの備品を置いたり使わなくなった在庫を置いたりとかしていて、こんなにキラキラ鮮やかになると思っていなかったのですごいビックリしました」

また、今回作品を描いた床は、イベント用に緑色に塗ったわけではなく、長年、黒板工場として稼働する中で自然と付いた色だということです。

（いわま黒板製作所　企画広報室 / 角野　加奈さん）
「最初は黒板を周りに付けて展示会風にする感じでお話を進めていたんですけど、すずきらなさんが見た時にこの床を大事に描きたいと言っていただきました」

【プロジェクションマッピング】元スナックの壁にイチョウ並木の作品

すずきさんのアートは他の場所にもあります！

（KSBアナウンサー / 荻津尚輝）
「車も通れないような細い路地。その先にある元スナック。扉も年季があります。この中に黒板アートがあるということです。入ると、壁一面に黒板アートがあります。イチョウ並木が美しいです」

この作品は、部屋を暗くすると、描かれているイチョウの葉や人がまるで動いているようなプロジェクションマッピングを楽しむことができます！

描かれている場所は、総本山善通寺につながる実際にある道路。

イチョウ並木や横断歩道が忠実に描かれています。

会場となっている元スナック「紅馬車」に窓がないため、すずきさんが開放的な空間にしたいと、幅2.8m×高さ2.5mの大きな黒板に奥行きのある絵を描いたということです。

（善通寺市　地域おこし協力隊 / 福岡　歩美さん）
「色も限られている中で、あのように写実的な絵や本当に簡単な線だけでもとっても素敵なアートが出来上がっていたので、プロの方の作品はすごいなと感銘を受けました」

「黒板街」は、12月3日までの金・土・日曜日と祝日に行われています。

ちなみに、過去の黒板アートイベントでは、作品の質を保つためにチョーク以外の画材を使うこともあったそうですが、今回はチョークに限定しています。

（善通寺市　地域おこし協力隊 / 福岡　歩美さん）
「今回会期も1カ月と長く設けていますので、だんだんと劣化して薄れていく部分もあると思うんですが、そちらのはかなさも含めて黒板アートの魅力だと思っています」