瀬戸芸で島を盛り上げよう!“いりこ”だけじゃない「伊吹島」秋会期へ向け準備進む 香川
18日に春会期が終了した瀬戸内国際芸術祭。8月からは夏会期、9月下旬からは秋会期が開かれます。
「いまココ!ナビ」では、秋会期の会場であり、島を盛り上げようと島民がさまざまなことに取り組んでいる観音寺市の伊吹島を紹介します。
観音寺港からフェリーで約25分、「いりこの島」として知られる伊吹島。
9月29日から始まる瀬戸内国際芸術祭の秋会期では、4つの新作を含む8つの作品が展示される予定です。
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作品「伊吹の樹」栗林隆
(山下佳乃リポート)
「空が見えますよ、すごい。そして周囲が鏡張りになっていますね。ちょっと下がると、鏡の反射によって海も見えます。空と海のコラボレーションですね」
前回からの継続作品「伊吹の樹」
長細い板を重ねて表現されているのは、子宮。
かつて出産前後の女性が集団生活をする風習があった伊吹島。この作品は実際に集団生活をしていた場所に設置されています。
作品「トイレの家」石井大五
廃校になった小学校の校庭に設置されているトイレも作品の一つ。
天井や壁から差し込む太陽の光は、迷路のように入り組む島の路地を連想させます。
そんな伊吹島には、ちょっとした有名人が…。
伊吹島の有名人 「亀善人」のおもてなし
「亀善人(かめぜんにん)」こと、島民の三好洋市さんです。
三好さんは何度も島に来てもらおうと、ボランティアで島に訪れた人を盛大に見送っています。この活動は伊吹島が瀬戸芸に加わった2013年から行っています。
三好さんはいろいろな形で伊吹島を盛り上げようとしています。
岡山県の建築会社に勤めている三好さん。その技術を生かして、2013年に高さ3.5メートルの「大きな椅子」を作りました。この「大きな椅子」から伊吹島からの絶景を楽しむことができます。
さらにこの椅子にも「おもてなしの気持ち」がつまっています。
山下アナ「涼しいですね。もしかして、日陰になるようにつくったんですか?」
三好さん「2013年の夏会期の時は日陰がないもので、できるだけ日よけが作りたいと、ちょっとしたおもてなしの気分でやってみました」
他にもハート形をした椅子など、島には三好さんが作った椅子がいくつもあります。
いりこ以外の特産品を!「イブキホワイト」をPR
人口減少が深刻な伊吹島。国勢調査によると、2000年に1020人だった人口は、2020年には323人まで減りました。高齢化率は50%を超えています。
そんな島を元気にしようと活動しているのが、三好さんも所属する「伊吹島元気隊」。
「お見送り」も伊吹島元気隊の活動の一つです。
そして今、伊吹元気隊が取り組んでいるのが…
「瀬戸芸でお客さんが見に来ますけど、そのタイミングで『イブキホワイト』という白芋があるんだなと知ってもらって。3年に1度の良いPRの機会ですので、間に合った方が良いのでこうやって作業しています」
「イブキホワイト」は七福と呼ばれるサツマイモの一種で、昔から伊吹島で食べられているもの。
伊吹島元気隊は、いりこ以外の特産品を作ろうと、「イブキホワイト」の普及に力を入れています。
2022年は瀬戸芸の秋会期までに収穫できるよう、2021年より1カ月半ほど早くつるを植えました。さらに早く成長させるための工夫もしています。秋会期には、ほし芋やプリンなどにして訪れた人に食べてもらう予定です。
「コロナとか色んな問題があるのでどれだけの方が来てくれるかはわからないんですけれども、やはり来てくれたお客さんには、こちらのおもてなしの気持ちを分かってほしいとい」
前回の瀬戸内国際芸術祭では延べ2万人ほどが訪れた「伊吹島」。
今回はかつての郵便局や造船所の跡地に、新しい作品が展示される予定です。作品の準備はこれからですが、訪れた人をもてなすため、そして島を元気にするため。島民たちは準備を進めています。
瀬戸内国際芸術祭の秋会期は、9月29日から11月6日に開かれます。