3/1(日)に実施する「香川はうまいか⁉~てのしま 林亮平氏と語る香川の食の未来~」で器協力をして頂く、さぬきうるしSinraさんにお邪魔してきました。
さぬきうるしSinraを立ち上げた松本さんは、香川が誇る伝統工芸「讃岐漆芸」をこれからも繋いで行くこと、そして香川の人達に、もっと「香川漆器」を使って欲しいという強い想いをお持ちの漆芸作家さんです。
「香川漆器」をもっと日常的に使用してもらいたい。
そのためには、小さい頃から漆器に触れる環境があることが大事である、と松本さんのお子さんが通う小学校に、ご自身の漆器を持ち込み、ぜひ使って欲しいと交渉を重ねたことがあるといいます。
特別に、工房を見学させていただきました。
漆を塗った後に乾かすための漆室(うるしむろ)。
じっくり時間をかけて乾燥させる上段には、カラフルな漆器やオーダーの落款入れなど様々な作品が乾かされていました。
こちらは、漆を塗り重ねた器に文様を彫り込む道具・蒟醤剣(きんまけん)。
「蒟醤剣で彫り、色埋めをして模様を表すのが蒟醤です!」とササっと実演をしてくださいました。
松本さんの道具の持ち手は、漆塗り。ご自身の仕事道具は、使うときにときめくもの、囲まれて心がワクワクするものにするというポリシーがあるとのこと。若い職人さんにも、道具にはこだわるようにとアドバイスをしているようです。
代表作『Ishiko』シリーズ
そんな松本さんが立ち上げた「さぬきうるしSinra」を代表する作品、Ishikoシリーズ。
「花崗岩のダイヤモンド」とよばれるほど硬く、丈夫な香川県原産の庵治石の粉(石粉/いしこ)を漆に混ぜて塗ることにより、金属カトラリーを使用しても傷が目立ちにくく、指紋がつきにくくなるのだそうです。
このIshikoの蓋付椀を、今回の食事会のために製作してくださいました!
当日は、3品目「はまぐり真丈 若芽 霞仕立て」をIshiko蓋付椀にてご提供いたします。
そして、こちらの器で8品目「いりこだしのブロッコリーすり流し」をお召し上がりいただきます。
松本さんは、「漆を塗り、形ができたら完成ということではない」とおっしゃいます。
器は日常使いがされてこそ。器に料理が盛り付けられ、それをお客さんが手に取り、食べる。誰かがその器を使って初めて「完成」になる。
当日は、松本さんにもお越しいただき、讃岐漆芸に対する想いを語っていただきますのでお楽しみに!
ちなみに・・・なんと、出来立てホヤホヤの新作を見せて頂きました。
訪問した3日ほど前に完成したものだそうです。
日常的に使用するために持ち手を付けたいと納得がいくまで試行錯誤したものだとか。
北欧感のあるスタイリッシュな形に、一瞬で心をつかまれました…
(レポート:SANUKI TABLE 岡田 彩)