【レポート】11月7日開催 おかやま100人カイギvol.4

【ごあいさつ】
2019年11月7日(木)19時から、「おかやま100人カイギvol.4」を開催しました。

「おかやま100人カイギ」は、岡山で新しいことを知りたい・やってみたい人同士が繋がり、地域に新しい動きが起こるきっかけとなる場をめざして企画したものです。

今回も、岡山市内を始め、倉敷市、総社市など地元の方々が来てくださいました。みなさま本当にありがとうございました!今回ご都合が合わなかった方、来月以降も開催していきますので、ぜひご応募ください。

【イベントレポート】
「今日のゴールは、ここにいる皆さんが知り合いになること」
司会の中村アナウンサーより、イベントの趣旨についての説明がありました。

これまでもそうでしたが、 お一人での参加が多いため、イベント開始前の会場は独特な緊張感が張り詰めています…いざ参加者同士グループを組んで自己紹介(アイスブレイク)を始めると、先程までと打って変わり、スタジオは賑やかな雰囲気に。参加者同士で知り合いになれるのも、当イベントの大きな魅力のひとつです。

アイスブレイク後、本日登壇する5名のゲストをご紹介した後、いよいよゲストトークへ。

【おまちかねのゲストトーク】
トップバッターは、NPO法人輝く支援ネットワークぱらママ 代表理事の藤井弥生(ふじい・やよい)さん。

団体名の「ぱらママ」の“ぱら(para)”はスペイン語で「~のために」という意味。
藤井さんが代表を務める“ぱらママ”は、県や市の委託を受けて、子育てママが社会復帰するための再就職セミナーやイベントを多く開催。そして、働く熱意を持つ人のために、キャンピングカーレンタル事業の受付業務として全国にコールセンター16か所と岡山営業所を「働く場所」をとして運営し支援しています。

そのキャンピングカーレンタル事業と、“子育てママの支援”を結びつけて、「ベビースポット」というキャンピングカーを利用した「託児カー」ビジネスを始めました。
その発想は、“買い物や病院の間に少しの時間子ども預かって欲しい”というニーズがあるから。藤井さんの経験と、支援をしているお母さんの困りごとを活かした新しいビジネスです。

藤井さんは、「社会全体で子どもを育てるような文化になって欲しい。お母さんが外で働き、気軽に買い物ができる社会になれば。」と熱いメッセージを投げかけていました。

次は、青空株式会社 代表取締役の石原大介(いしはら・だいすけ)さん。

石原さんは、28歳でネット販売の会社を起業。商品としてお米を取り扱ったのが縁で、「いつか自分で野菜を作りたい」と思うようになったそうです。農業をイチから始めるには、土地や機械などの設備が必要なため、まずはその準備として農作物の卸会社を設立。2年前、青空株式会社を立ち上げてレタスなどの葉物の生産を開始されました。

石原さんが目指すのは「儲ける農業」。日本では「儲ける」ことに嫌悪感を示す人もいるけれど、収益を出さないと事業を続けることができない、と力強く主張します。豊作過ぎると需要に対し供給過多となるため市場価格が低下する「豊作貧乏」。その状況を打破すべく、石原さんやグループ農家さんの野菜は全てカット工場やレストランに出荷し、市場に頼らない強い組織を作っているようです。

「野菜は人間が作るものじゃない、野菜が育つのを手伝っているだけ」という静岡の有名農家さんのアドバイスで一層農業にはまっていったという石原さんは、会社設立3年目、レタスで優秀産地賞を受賞されました。
想いと目的を強く持っていれば、自分の好きなことをしながら仕事にできる!そして、一番大切なのは仲間が潤う組織体を作り、皆で儲けて皆で分かち合うこと。これからのビジネスには必要だという力のある言葉に、参加者の皆さんは引き付けられている様子でした。

前半最後は、吉備津彦神社 祝職 (はふりしょく)を務められています、吉野香保梨(よしの・かほり)さんです。

大学で人間教育を学び、人と人との関わり方や繋がりの大切さを知る中で、自分自身の生き方について考え、「女性として」「今しかできない」と巫女になることを決意した吉野さん。
昨年5月に日本遺産『桃太郎遺産』の構成文化財のひとつである吉備津彦神社で現在は祝職(はふりしょく)として働かれています。

食事の際、日常的に口にする「いただきます」「ごちそうさま」と手を合わせて言う言葉。この由来をご存知でしょうか。お米は、神様が日本人へ授けてくれた大切な食べ物。それを頭上に捧げる動作から、お米を授けてくれた神様、田畑を耕してくれた生産者、調理をしてくれた人への感謝を表す言葉になったと言われています。

このような、日常生活の中で当たり前のようにしていることの意味、日本の文化の大切さを、祝職として神道を通じてしっかり伝えていきたいと目を輝かせていらっしゃいました。

休憩をはさんでゲストトーク後半。
川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部 医療福祉デザイン学科で講師を務められている岩藤百花(いわどう・ももか)さんです。

火災現場や薬物テロ等の現場では、消防士は防護服を着用しているため、避難指示等の声が届かない。そのような状況の中で、誰でも一目見て指示が分かる“災害対応ピクトグラム”が欲しい。消防士さんのこのような問題意識からプロジェクトが始まったとの説明がありました。
(※ピクトグラム…非常口やトイレなど、対象とするものの形状を使ってその意味概念を理解させる視覚記号のこと)

2017年、学生と初代ピクトグラムを考案して以降、JIS規格への対応、助成金で実際にツールを作るなど精力的に活動し、防災教育特別賞を受賞されています。現在、岡山市の全消防車にツールが搭載され、県内商業施設の防災自主組織でも使用されているそうです。さらに、ラグビーワールドカップの開催地である全国59都市や、G20岡山会場にも配備されるなど、県内外から使用申請が続々と届き、全国的に広がっているようです。
(参考:「災害対応ピクトグラム」が完成し、岡山市内で実装されました-医療福祉デザイン学科-)

この災害対応ピクトグラムが登場するということは、災害が発生してしまったということ。皆さんの目に触れて有名にならない方がいいのだけれど、岡山発祥の点字ブロックのように、防災の世界標準になって欲しい!という野望を語ってくださいました。

岩藤さんは、この活動について「消防士さん、デザインをした学生たち、多くの人が関わってくれたから進んで来られました。是非学生の応援をして欲しいです。」と強調します。岩藤さんの柔和なお人柄が、問題意識を適切にまとめられたのだと感じました。

最後は、A.M.I学童保育センター センター長の中野健汰(なかの・けんた)さん。

A.M.I学童保育センターは、“生活”と“遊び”の場を提供している純度100%の学童保育。
家庭では帰宅すると「手を洗いなさい」「宿題をしなさい」と大人が指示しがちですが、A.M.Iでは服を着替える、おやつを食べるなど、今この瞬間何をするべきかを自分たちで考えるのだとか。上級生が1年生に「今はこうやるんだよ。こうやった方がいいんじゃない?」と子ども同士で教え合っているようです。また、支援側が無理やり遊ばせることはせず、異年齢で自由に楽しく遊び、触れ合う環境の中で、人とつながる力、将来へ向かう力などの“点数化できない能力”を伸ばすことを大切にされているようです。

さらに、ご自身の経験から「スゴイと感じた人から、とにかくマネる!」ことを意識しているとお話しくださいました。スゴイ!と感じた人の話し方、考え方などを真似てみる。そしてそれを自分のオリジナリティへと進化させていらっしゃるそうです。

中野さんが一番大事にしていることは「できない、ではなくまずやってみる!」ということ。その精神で語る中野さんの将来の夢は、「A.M.I学童保育センターの全国展開」。中野さんの力強い言葉に、何人もの参加者が引き込まれている様子でした。

【さらに盛り上がったネットワーキングタイム】
ゲストトークの後は、5つのグループに分かれてネットワーキング。
ゲストが順番に輪に入り、参加者からの熱心な質問に丁寧に答えていました。閉会後も、ロビーに移動してゲストに質問を続けたり、参加者同士で名刺交換をして話し込んだり、参加者の皆さんは、普段の職場では出会うことが出来ない方々との新しい出会いに大盛り上がりでした。

「おかやま100人カイギ」は、登壇していただいたトークゲストが100人に達するまで毎月開催していきます。
次回は、12月7日(木)午後7時スタート。プロBMXライダー、情景描写ピアニスト、障がい児の保護者支援など、次回も個性的でオモシロいジャンルのゲストばかりです。お申込はこちらから!

レポート:おかやま100人カイギ事務局・岡田彩

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