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讃岐うどんの人気店「さか枝」一時休業へ 大将と女将が高齢で引退…最後の一日に密着 高松市

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 高松市中心部のサラリーマンがしばらくの間、昼食に困るかもしれません。香川県を代表するうどん店「さか枝」が31日で一時休業に入りました。秋のリニューアルオープンを目指しています。休業前、最後の1日に密着しました。

 午前4時半。高松市番町にある、言わずとしれた人気うどん店「さか枝」。県内のうどん店の中でも特に早い午前5時に営業を始めます。早朝から行われる仕込みを、これまで40年以上、続けてきました。

(さか枝 大将/坂枝良弘さん) 「そりゃもう、うれしさと寂しさで混合しとるかな」

(さか枝 女将/坂枝静江さん) 「あぁ、あすからこれせんでもええんかなって思ったら、寂しいなーとは思います」

 午前5時前、最初の客が…

(最初の客) 「いやもう最後やからね、混むかなって思って」 「眠いです…」

 「さか枝」は香川県庁や香川県警本部、香川大学の近くに店を構え、これまでに多くのサラリーマンや大学生のお腹を満たしてきました。しかしここ数年、店主の坂枝良弘さん(77)が高齢の影響もあって体調が思わしくなく、一時休業を決めました。

 そんな店主夫婦に、常連の方が花束を贈るサプライズも…。

(さか枝 女将/坂枝静江さん) 「ありがとう、どうもまぁ。また連絡ください。長いこと世話なってありがとうございました」

(記者) 「記者の私も高校生のころから、これまで15年近くお世話になりました。それではいただきます。この出汁の深い味わいと、もっちりとした麺。ずっと変わらない香川の味です」

 戦後、店主の良弘さんの両親が、現在の高松市扇町に「坂枝製麺所」を開業。昭和50年(1975年)には今の場所に「さか枝」をオープンし、セルフうどん店の先駆けとして営業を続けてきました。


 「ショウテン」…かけうどんの「小」と天ぷら1つを表すこの注文方法も、さか枝ならでは…。

 最終日の31日も、お昼時になると思い出の味を惜しむように長蛇の列ができました。

(お店に食べに来た人はー) 「きょうは最後で、長年ご苦労さんいうて」 「県外から転任してきたので、こんなにおいしくてこんなに安いのかって、ほんとびっくりしてます」 「いややっぱり寂しいですよね。心のふるさとみたいなところがあるので」 「(Q.うどん食べたいなってなったときにここがなくなる?)そうやね、どうしようかね…」

 そして最後の客を送り出すー (最後の客) 「ごちそうさまでした」

 「さか枝」は、6月1日から一旦休業して内装などのリニューアル工事に入り、秋ごろの再オープンを目指します。息子の繁さんが、後を継ぐ予定です。

(さか枝 次期大将/坂枝繁さん) 「基本的には中のお店のスタイルは変えないと思ってます。できる限り秋と言えど、早めに(再開)できたらいいかなと思ってます。(Q.うどんの味はこのまま?)そうです、もちろんです」

お店には多くの花束がー

(さか枝 女将/坂枝静江さん) 「65か70の声を聞いてから、体が言うことを聞かなかったです。苦しい時もあったけど楽しい時も、お客さんが声かけてくれるのが一番楽しかった、仕事して良かったなと思います」

(さか枝 大将/坂枝良弘さん) 「お世話になりました、ありがとうございました、という言葉をいただいたことだけで胸がいっぱい。後継者がおるけど、僕が裏方さんになって指導します。もっともっと良い品物をお客さんに食べていただけるように指導します」

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