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水位上昇で川の決壊が「連鎖」…倉敷・真備の大規模浸水で国交省も現地調査

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 倉敷市真備町で起きた浸水はなぜ、どのようにして広範囲に被害が拡大したのでしょうか。国土交通省は、現地を緊急調査して当時の状況の解明を進める方針です。

 約4600戸が浸水した倉敷市真備町では、小田川の北側の堤防2カ所と小田川の支流が決壊しました。決壊した場所の付近は被害が特に大きく、土台ごと流されてしまっている家などもみられます。

 国土交通省は10日、復旧方法を指導するため、決壊箇所を緊急調査しました。

(国土交通省/竹内毅 災害査定官) 「これほどの大きい災害だとは本当に驚くばかりです。越えた場所とか量とかを見ながら、計画に対してどれくらいオーバーしてるのかこれから検証していくと思います」

 川の決壊によって浸水した面積は約1200ヘクタール。なぜここまで被害が拡大したのでしょうか。

 まず、川が決壊したのはバックウオーターが原因とみられています。  川が増水したとき、川の合流地点で、大量の水が行き場を失い溜まってしまいます。行き場を失った水がより勾配のゆるい川の流れの上をさかのぼり、極端に水位が上がる現象です。

 今回の小田川でも、高梁川の合流地点で水が溜まったことで、小田川を逆流し水位が上昇。その影響で、堤防が決壊した可能性があると考えられています。

(岡山大学/前野詩朗 教授) 「小田川に対する支川がまたバックウオーターで水位があがる、ドミノじゃないですけど、本川、支川、本川、支川ということで、水位が高い状況が続いて破堤してしまった」

 前野教授は、小田川の支流の末政川や高馬川でも水位の上昇と決壊の連鎖が起き被害が拡大したと考えています。高馬川の決壊箇所では…

(高馬川付近の住民は―) 「決壊して噴水状態でこれ見てだめだと。それが(7日午前)1時か1時半くらいですね。 (Q.小田川の破れている堤防はどんな感じ?)まだ破れてなかった」


 一方、さらに小田川の下流で合流する末政川では…

(末政川付近の住民は―) 「末政川がえらいこになっとるいうことで、午前5時くらいに見に行ったら箭田からの水がどんどん入ってきててあふれそうな感じで」

 7日未明に末政川の水が越えてきていたと話します。  さらに、小田川の上流でも…

(小田川上流の住民は―) 「いっぺんに水かさが上がってきてどっどどっど、あそこからこれを越して、向こうは向こうで越しとるわけ、もうどうにもならん」

 6日午後11時半ごろには、ひざまで水が達し、すぐに2メートルほどまで水位が上がったといいます。

 住民の話をまとめると、最初に小田川の上流で水が堤防を越え、その後、次々と下流や支流の決壊が続いた可能性があります。  国交省は10日、調査委員会を立ち上げ決壊の原因調査や復旧方法の検討を始めました。

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